ポジティブ学級日誌

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無能の人 感想

石を売る


先日読んだ漫画
つげ 義春の「無能の人」の感想


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久しぶりに感想記事
読んだのは本じゃなくて漫画なんですが衝撃的なものだったので


漫画、といっても80年代くらいの作品なので全体的に古い雰囲気が漂っています
少年誌的な漫画を期待してこれを読むのは厳しいです
ブラックジャックとかはだしのゲンに雰囲気が似てた。内容は大人向け

文章量が多く、大半が独白なので小説を読んでるような気分でした


どんな話かというと、

石屋の主人公の日常


としか言いようがない

6話からなる短編なんですが、事件らしい事件もなく淡々と進んでいきます
それでタイトルの通り、主人公が無能なわけです


主人公は元々そこそこ有名だった漫画家だったのですが
カメラや古物に手を出し失敗。漫画の仕事が来ても「自分の漫画は芸術だ」と断ってしまう
そして最終的に行き着いたのが石屋

さて石屋とはなにか


石を売る、といって思い浮かぶのは
なんか高そうな黒い綺麗な石とか、宝石とか、パワーストーンとかその辺りじゃないでしょうか
ボーちゃんやカズマが集めてる小石を思い浮かべる人は少ないと思います


でもこの石屋の主人公。やってることはボーちゃんとかと一緒
川原で拾った石を、川原で売っているんです
店は掘っ立て小屋


その辺に落ちている石に『孤舟』『風』なんて名前をつけて店先へ並べる

当然売れるはずがありません



ではどうやって生活してるかというと、奥さんが働いています
ようするにヒモ



とはいっても奥さんに依存して甘えてたり、怠けてたりするわけではなく
主人公は毎日石を売りに店へと行くし、苦悩したりもする

自分の足で川渡しをやって僅かなお金を得たり
高い参加費を払ってまで石のオークションへ行ったり
遠出して石を探しに行ったり


するのですが、どれも成果はほぼ無し


タイトルの通り、主人公は無能なのです
奥さんにも「あんたのやることはいつも軽率」と言われたり、
「石はもうイヤだ」「マンガを描いてよ」と泣かれる始末

なんとも無意味で、物悲しい



その無意味さを体現したかのような2コマがあるのですが、そこが非常に印象的でした

夜になり、主人公を迎えに息子がやってくる
主人公は黙って家へと向かう。売り物の石は置いたまま

「あの石、あのままで盗られないの」と息子

それに対して主人公
うん、盗む奴なんかいないさ



見せ場でもなんでもない小さなコマでのやり取りだったんですが衝撃的でした
もうこの2コマだけでいいんじゃないかってくらい作品全体を表しています

無能が主人公の、無意味な話
なんだけど妙に納得出来たりもする不思議な作品でした






映画化されてるらしい

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